消化器科Gastroenterology
こんな症状はありませんか?
- 吐く
- 下痢をする
- お腹を痛がる
- 嘔吐の原因について:食堂や胃腸の閉塞、圧迫、異物誤飲、細菌・ウイルス・寄生虫症などによる感染症、腹腔内の腫瘍など、様々な原因が考えられます。
- 下痢の原因について:下痢とは、便に含まれる水分量が増加した状態をいいます。細菌・ウイルス・寄生虫症などによる感染症によって下痢を起こすことが多く、消化管全般に何らかの異常があっても下痢を起こします。また、アレルギーやストレスで下痢をすることもあります。
吐いたり下痢をしても、元気で食欲があり、一時的なものであれば、翌日まで様子を観察 するだけで構わないでしょう。しかし、その後症状が持続したり、吐物や便に血が混じる、他に食欲不振や動きが悪くなるなど、体調全般に異常が見られる場合は、早めに病院に相談してください。
嘔吐や下痢から考えられる
重篤な病気について
犬
-
犬パルボウイルス感染症
激しい嘔吐と下痢を起こす、ウイルス感染症です。嘔吐と共に、血便を排泄する消化器症状と、白血球減少を特徴とします。
脱水状態となり衰弱し、命を落とす場合もあります。ワクチンで予防することができます。 -
犬コロナウイルス感染症
下痢や嘔吐を起こすウイルス性腸炎です。単独であれば重篤化しませんが、パルボウイルスとの混合感染も多くみられ、その場合は症状が重くなります。最近では、猫コロナウイルスを伝染性腹膜炎ウイルスに変異させるトリガーになる可能性が示唆されています。 ワクチンで予防することができます。
-
出血性胃腸炎
出血を伴う胃腸の炎症で、重篤な出血性の嘔吐と下痢(血便)を起こします。
小型犬に多くみられ、重症例では死に至ることがあります。
猫
-
汎白血球減少症
猫パルボウイルス感染症です。死亡率が非常に高く、回復しても数ヶ月はウイルスを排出し続けます。妊娠末期から生後数週齢までに感染を受けると、小脳形成不全を起こし、運動失調をきたすことがあります。
ワクチンで予防することができます。
犬- +
猫
犬
猫
-
消化管内寄生虫症
原虫類、吸虫類、条虫類、線虫類。 これらの寄生虫に感染することで、消化器症状のほか、様々な症状を引き起こします。
-
急性膵炎
腹部の激痛と共に、嘔吐と下痢を繰り返します。 激痛のためにショック症状に陥る場合もあります。 膵臓の消化酵素が、何らかの原因で膵臓自体を自己消化してしまうことで起こります。ペットでは、一般にその原因は不明ですが、偏った食事、高脂血症、肥満などはリスクファクターとなります。
当院の消化器症状の治療の特徴
-
1問診
安易な対症療法を行わないよう心がけています。
特に初診時は、飼い主さんからしっかりと生活環境、フードやオヤツなど良く口にするもの、他の動物との接触の有無などをお伺いします。
現在どんな症状が問題なのか、いつから症状が出ているのかなど細かく問診致します。また、問診をおこなう際に、様々な原因の可能性を考え、症状とは直接関係のない質問をする場合もあります。 -
2診察
消化器症状のあるペットの診療において、視診や触診はもちろんのこと、その子の匂いや 挙動など身体検査を行います。症状だけではなく、挙動や匂いにも重要な情報が隠されています。
-
3検査の実施
身体検査だけではなく、必要に応じて便の顕微鏡検査や原虫抗体を行うことで寄生虫や原 虫の有無を確認する場合があります。特に幼いペットや、他の動物と接したことがある ペットの場合は、便をお持ちいただくと診察が捗ります。
また、その症状や状態により、血液検査で消化器症状を引き起こす原因を探ったり、レントゲンやエコーを用いて検査を行う場合もあります。 -
4治療方法のご説明と提案
病歴、生活習慣、食習慣および検査の結果から総合的に診断し、治療の方針を立てます。
治療の前に、今現在どのような状態なのか、これからどのような治療や生活環境の改善を行えばいいのか、詳しく説明を行い、ご理解していただいてから治療を受けていただきます。
良い点だけでなく副作用までわかりやすく説明し、安心して治療を受けていただくよう心がけています。
獣医師の判断で勝手に治療を進めることはありません。必ず飼い主様に納得いただいてから治療を進めていきます。治療には副作用などご不安なことも多くあると思いますので、飼い主様に寄り添ったご説明を心がけています。
なお、かかる費用や治療法の手間など、飼い主様の負担につながる部分においては幾つかの治療法をしっかりご説明したうえで選択していただく場合があります。